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world's end/interlude

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 interlude



 子供が泣いていた。輪になって、小さくまとまって、みんなで泣いていた。
 大人がわめいていた。空を仰ごうとして、空が遠いことに気づき、みんなでわめいていた。
 昨日まで、手を伸ばせば届きそうだった青色が、今はいつもより遠い。

 これが意味することがなんなのか。知らなければ幸せだったかもしれないが、みんが、知ってしまっていた。
 そして、生き抜くことに絶望する。

 やがて、遠ざかってしまった空から、命を育む水が、文字通り流れ込んでくる。本来ならば、生きとし生けるものの構成要素となるモノが、今ばかりは土に還す役割を果たそうとする。
 大人の中の一人が、手足につけられた鎖に、最後の愚痴をたれる。

 あいにくと、俺には理解できない言葉だったが、概ねのことはわかる。

 俺たちは、不幸せだ、と。



 久方ぶりに見たシリーズ物。どうやら最近は、努力に見合うほどのバランスを取れていなかったらしい。加えてこの間のアレ、だろう。いつもよりファンタジー度が増していた。おかげで久方ぶりの新作は多くの方が出演していらっしゃった。

「あー、だるっ」

 まぶたを開いた先には見慣れた天井。何も変わっちゃいない。窓の外にもちゃんと、空がある。
 だけど、彼らには、それが遠かったのだ。手を伸ばしたって届くことはなかったのだ。

「ったく、よそ様の場所ではたまーにおっそろしいこと考える奴らがいて怖えよ」

 今いるのが日本で良かったと思える瞬間の一つだろう。もっとも、日本で同様のことは起きなくても、大きな括りでいけば同類項と言えることはあるし、場合によってはもっと勘弁願いたいこともあるのだ。水責めの一つや二つでくじけているようじゃ、このシリーズは全巻鑑賞済みなどできやしない。もっとも全何巻かを教えてもらったこともない。

「はあ、今何時だ……まだ夜も明けてねえし。寝よっと」

 今日が日曜日であったことに、くそったれな神への感謝を忘れずに行い、そしてまぶたを閉じる。
 次の睡眠は、安穏としたモノとなってくれた。

 時折ちらついた姿に関しては、強引に夢に出てこなかったことにしておいた。



 /interlude


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