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All need is……/駆け抜けた先に

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「……意外と短かったけど、やっぱり長かったわね」
「うん、そうだね」
「まあでもコレで元に戻れるんだから、はるちんとしては万々歳なのですヨ」
「この後もちゃんと授業についていけたら、がつくんじゃない?」
「う、うげっ、それはとりあえずおいといて……」
「おいといたらだめなんじゃないかなあ、学生なんだし」
「ううっ、お姉ちゃんだけじゃなくて理樹くんまでいじめる……あ、でももうすぐ立場が変わるんじゃないかな?」
「へっ?」
「お姉ちゃんと理樹くんのこと、みんな知ったらどうなるかな? へっへっへ……」
「あの、葉留佳さん、別に隠すとかするつもり無いんだけど」
「第一すぐばれるようなことをしたって仕方ないでしょう? 馬鹿ねえ」
「う、う、うわあああああん!」
「あ、いっちゃった……」
「いいわよ、ほっときましょう」
「そうだね……それにしても、みんなと会うのは久しぶりだなあ」
「まあ、何も変わってないでしょう? せいぜいむさくるしい男連中が浮かれるくらいじゃないかしら」
「な、なんだか棘があるような」
「気のせいよ。ほら、葉留佳も行っちゃったし、私たちも早く行きましょう。みんな待たせてるでしょ」
「うんそうだね」



――私を、何度も導いてくれた手が、今もまた、私に向けられている。

「……行こう、佳奈多さん」

 ――その手を、私はつかんで、離さない。

「ええ……理樹」

 ――ルームメイトが言うようにはまだ上手く言えないその言葉とともに。


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