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一次/携帯メール

 やがて、大通りへと抜ける。
 夜の街とはいえ、目抜き通りであるこの通りの場合、人通り、そして車の通りはなおも多い。

 特に街路灯や店の看板の明かりが密集する地で、私はようやく足を止める。

 だが。
 無常にも携帯がまたも鳴る。
 私のスカートのポケットの中で。

 どうにか携帯を取り出し、感情を押し殺して、メールを確認する。
 0時36分。

『!未来メール!
 このメールは受信者の意思と関係なしに送信されます。

 ようこそ未来メールへ!
 このメールは受信者の5分後の未来の内容を送信します。

 今回の貴方の未来はこちら!

<ダンプカーに轢かれて死ぬ>

 それではよい未来を♪』

 それを目にして私は携帯を落としていた。
 ついに、きてしまった……
 私の死亡宣告。
 これから、逃れるすべはない。逃れるすべは……

 藁にもすがる思いで、私は辺りを見回す。
 ――ファミリーレストラン!

 くじけそうになりながらも、私は店内に駆け込んだ。

「いらっしゃいませ、お客さ……」

「一名、窓から極力離れたところで!!」

「か、かしこまりました」

 鬼気迫る表情だったのだろう、ウェイトレスは顔を引きつらせながら私を座席に案内する。
 通された席は、窓から5メートルは離れている。
 レストランの前の歩道も含めると、車道からは10メートル以上。途中には街路樹もある。
 気を落ち着かせるため、出てきたお冷を一気にあおる。

 火照った身体は、一瞬冷やされた。
 だけど、そこまでだった。

「きゃーっ!!」

 窓のそばでくつろいでいた客が突如悲鳴を上げ、立ち上がる。
 まさかっ!!?
 振り向いたその先には、ダンプカーが街路樹をなぎ倒し、レストランの窓さえもぶち抜く光景が繰り広げられていた。
 ダンプカーのヘッドランプが、私を照らし出す。

 逆光の中、私が最後に見た光景。
 それは、壁に掛けられた時計が0時41分を指している光景だった。